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「仕事の報酬は仕事」という考え方

2019.01.03

こんにちは、萩ドットライフ()です。

誰に聞いた言葉だったのか? 「仕事の報酬は仕事」って言葉があって、僕も腹落ちしてたのですよ。ただ、ググってみるといろんな解釈をされている方々がおられるようですね。中には、この言葉がブラック労働を生んでいるというような論調も…。

そもそも、この言葉のネタ元は?

ググってみると、ソニー創業者のひとりである井深大氏の言葉のようですね。

 いい仕事を続けていると、面白い仕事がまわってくるようになるんだよ。つまんなくても何でも、目の前にある仕事を大事にこなしていくことが、いちばん大切なことだよ。
 基本的に、面白い仕事っていうのは、ライバルとの取り合いだからね。
 転職すれば、面白い仕事がまわってくるなんてことはないよ。だって、新入りに、面白い仕事をまわしてくれる会社なんてないだろ?
 もっとこだわりを持って、その仕事をやってごらんよ。
 そこからしか、世界は開かれないんだよ。
出展:仕事の報酬は仕事だよ――井深大・ソニー – ITmedia エンタープライズ(2019年1月3日現在)

まず、僕はこの言葉の意味を勘違いして理解していたようなのですよ。
どういう解釈をしていたかというのは、後述するとして、この引用文を読んでみると、なんとなく「言われたことは黙ってやれ」「報酬やら出世やらを、当てにするな」と、他人を都合よく使役するための方便のように感じますね。

当の井深氏が、そのような意図で発言されたのかどうかは謎ですが、上の引用文を読んだ僕が、そのような印象を抱いた、ということです。

ただ、

  • いい仕事を続けていると、面白い仕事がまわってくるようになる
  • 面白い仕事っていうのは、ライバルとの取り合い
  • 新入りに、面白い仕事をまわしてくれる会社なんてない

と、言葉を切り取っていけば、賛同できるのですよ。

なんとなく、置かれている状況によって受け取り方が変わってくる言葉なのかな? という印象ですね。

僕はとても単純な解釈をしていました

文字通り「請け負うことができた仕事で頑張って、成果物を気に入ってもらえることが、次の案件の受注に繋がる」という意味でしか捉えていませんでした。

僕は、フリーランスのWebデザイナーになって、20年以上経ちます。
そもそも、仕事があるという状態が、とてもありがたいことなのですよ。

50代半ばになった今でこそ「新規受注を停止して、セミリタイアをはじめました」とか「対面ミーティングには赴かない、完全リモートでお請けします」とか、クソ生意気なことを言っていますが、それは永年コツコツと信頼を積み重ねてきた上でのトライアルなのですよ。

黙ってても自然に仕事がやってくるような甘い世界なんて、どこにもありません。

案件によっては、炎上することもありますし、かかった手間を上手に価格に転嫁できないこともあります。
それでも、広告代理店やクライアントの担当者に気に入ってもらうことが、次の案件に繋がるわけで、まさしく「報酬」なのですよ。

こう考えると「得」の範囲を広げて考えることができるのですよ。損得の「得」ですね。
目先の報酬に捕らわれずに「学習」として仕事を請けることもありますし、「人間関係構築」を目的とした作業もありますからね。
「声かけられやすい外注さん」ってフリーランスにとって、とても有利なポジションだったりするのですよ。

自分自身に気持ちの切り替えを促す効果もありますね。
「今回の案件、不快な思いをすることが多かったけど、次ガンバロ、次」と思ったことは数限りなくあったのです。
おかげで継続できたし、継続できたからこそチカラをつけることができたし、信頼も得られた。
結果、職業人としての寿命を伸ばすことができたのですよね。

もう一方の解釈

意味のない雑役的な業務を指して「仕事」と言っていたら? と考えてみましょうか。
「意味のない仕事などない」みたいな論調は一旦置いといて、つまんないこととか、やりたくないことって、いっぱいありますよね。

新人さんだったり、立場の低い人が押し付けられがちな業務ですよ。

フリーランスにだってあるんですよ。ワケのわかんない資料作りを押し付けてくる人とかいますもん。
今でこそ
「それって、代理店の仕事ですよね」
「お請けしますが、まずお見積りいたしまので、ご了承いただいてから着手しますね」
などと言っていますが、駆け出しの頃は、呪いの言葉をつぶやきながら作業したこともあったし「オレがやったほうが早いから、やっとくか」ってことも多々ありましたね。

実はこれって、前項で書いた、

  • 「学習」として仕事を請ける
  • 「人間関係構築」を目的とした作業もある
  • 「声かけられやすい外注さん」になる

と紙一重なんです。結局のところ、僕が「好きな人」か「嫌いな人」かによるんですよ。
快く請けることができれば「学習」にも「人間関係構築」にもなりますが、高圧的に押し付けられると、やる気を削ぎ落としてくる効果しかありませんよね。

もちろん「コピーの閉じ方が美しい」「タクシー拾うの、メッチャうまい」がチャンスに繋がるような物語があるのは知っていますし、「球拾いを続けていればボールの動きが読めるようになる」みたいな話を否定するつもりはないのです。

ただ「ゴミ仕事をちゃんとやらないと、面白い仕事、やりがいのある仕事、報酬の高い仕事にありつくチャンスを得られないよ」みたいな考え方が嫌いなのです。

他人に嫌なことを押し付ける方便で、この言葉を使うのは「美しくないな」と感じるのです。

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