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50代フリーランスの市場価値

2019.03.09

こんにちは、萩ドットライフ()です。

このブログのテーマは「フリーランスの老後問題」かもですね。50代ってまだ「老後」を話題にしにくい世代です。サラリーマンの方々は定年とセットになるテーマでしょうからね。でもフリーの僕は「後夜祭」みたいな感じでイメージし始めているのです。

オッサン・オバサンの市場価値

身も蓋もない言い方をすれば、急速に低下中だと思います。

僕は50代半ば。フリーランスのWebデザイナーなので、自分の立場からそう感じるのですが、おそらく非クリエーター系の職業の人であっても、サラリーマンであっても、おおむね「年長者の価値が失われている」感じってあるんじゃないでしょうかね?

答えが見えてて、その答えを知ってる人が知らない人に伝達することが有効な時代には「答えを知ってる=長くやってる人=年長者=偉い=価値高い」だったのでしょうが、大抵の情報はググるだけでアウトラインにはたどり着くことができて、あとは情報量よりも、情報の質を高めるセンスで競い合うような時代には、あまり役に立つシステムじゃないんですよね。

ネットによって価値観が変わっちゃったと思うのです。

かつて重要だった「誰々さん知ってる」とか「かつて体験したことのある対処方法」みたいなものの価値が急速に失われていってるのです。

幸いにして、僕は50歳を超えても「フリーのデザイナー」の看板でメシを食い続けることができています。
でも、ときどき「自分の市場価値って、メインクライアント用に特化した筋肉だけで支えられてるんじゃないのか」みたいなことを考えるのですよ。
もちろんそれが贅沢な悩みであることは理解しているのです。
「もう50代、逃げ切ろう。メインクライントにしがみつこう」という気持ちがないわけではないのですが、フリーランスの性(さが)なのでしょうか、自分の市場価値を計測し続けたいし、スコアメイキングが楽しいのですよ。

なので、メインクライアントからの離脱を決めたのです。

マーケットを変えよう

今、僕は「人生の中休み」みたいな感じなので、そんなにバタバタ焦るわけでもなく、セミリタイア中なので、行動よりも考えることに多くの時間を費やしているのですが、この時間を使って、自分という商品を置くマーケットを変えようと思っているのですよ。

たぶん、今までどおりの「フリーランスのWebデザイナー」「メインクライアントからの指名発注」では、価値は下がる一方だし、なんか楽しくないのですよ。
もちろん「スキルアップ、頑張るぞ!」という気持ちもあるのですが「今のポジションを維持するためだけのスキルアップ」とか「若いものには負けないぞ論」みたいなのって、つまんないですよね。

「50代。ベテランならではの人間力」みたいなものも、そんなに持ってないんですよ。
正直なところ、自分という商品にテコ入れするの、ちょっとメンドくさいんですよね。

「商品変えるよりも、売り方変えたほうがいいんじゃねえか?」と思っているのです。

なんとなく、こうして「フリーランスの老後戦略」めいたことを思いつくままにブログ記事にしているのですが、ここが自分の身を置こうと思ってるマーケットなんですよね。
前項で「オッサン・オバサンの市場価値は急速に低下中」と書きましたが、オッサン・オバサンであることが価値になる分野をこの付近で探ってるのです。

10年後に団塊ジュニアが僕と同じ年代になるのです。一定の割合で僕と同じようなことを考えるヤツが出てくると思うのですよ。
そこをイメージしながら、コンテンツを残し続けられればいいな、と思っているのです。

具体的なアウトプットは、都度変わっていくでしょうし、「こんなの作る」と決めることよりもむしろ「テキトーに作ったものをアップデートし続ける」ことに重きを置くスタイルになろうかと思っています。
ずっと、サイコロを振り続けるイメージですね。
(参考:「作る人」で居続けよう

評価のスタイルを変えよう

ずっと「収入=お金」をモノサシにしてきました。毎年の決算数字(フリーランスだけど、法人化してるのですよ)に一喜一憂していました。
これからも、お金は大切な指標であることに変わりはないのですが、ここに来て考え方が変わってきています。

「今月の売上」「今年の利益」よりも「自分が75歳になったときに、いかにラクに楽しく、月額15万円を得るためのしくみを作るか」がテーマです。

現在の月額15万円なんて、なんてことない金額なのですよ。
ただ、それは現在のクライアントにしがみつける筋肉ありきのことなのです。

自分が75歳になったときに、今のようなクライアントワークをこなすのはイヤなのですよ。
もっと、労働の強度を下げて「生産的な趣味」程度の創作活動で最低限の収入を得ていたいのです。

ちなみに「15万円」という金額には大した意味はありません。僕が社会人になったときの初任給が15万1,000円だったのですよ。
「初任給程度の金は、趣味で稼げるようになったぜ」と思いたい、その程度のもんなのです。

スキルアップしながら遊ぶことにしよう

このブログの到るところで「また何かの初心者になりたい」と書いています。
「何かをやり始めたときに感じる、急激な成長を楽しみたい」とか「もう1回、別のゲームをやってみたい。自分を作り直したい」みたいな欲求があるのですよ。

その根底には「いままでの経験、要らないな」と思ってるからなんですよね。

別に「思い出を捨てよう」とか「これまでの人生を否定しよう」とかじゃありません。
「人生経験がものを言う」と思っている状態がイヤなのですよ。

たぶん人間って、加齢とともに「オレ、ベテランだぞ。経験あるんだぞ、言うこと聞けよ」みたいな気持が芽生えるようにできてるんでしょうね。と同時に、それを否定する感情も発芽している、そんなもんだと思います。
ちょうど今の僕がそんな感じでしょうかね。「今は後者を採用するフェーズだろうな」と感じています。

目の前にある環境やら技術やらが、どんどん変わっていきますからね。
冒頭にも書いたように、経験とか知識って、片っ端から無力化していってますし、いったんは「経験」の価値を否定したほうが良さそうですよ。

もちろん、今まで自分を支えてくれた「デザイン力」とか「Webサイトを構築する力」「色んな人と会話をしながら仕事を進める」「問題を設定して解決策をひねり出す」などなどの職能は、使い続けることにはなると思います。

ただ、こうしてブログを書く練習をしていたり、Webマーケティング的なことを学習し始めたり、動画も撮るようになるでしょうし、編集技術にも興味がある。
Webサイトもこれまでの仕事では関わってこなかったようなものにも興味があるので、プログラミングも学習したい。

こういうのひとつひとつが、自分という商品をチューニングする要素になるでしょうし、商品を置くべきマーケットの正しさを確認し続けるためのフィルターになってくれると思うのです。

早い話が「このゲーム、楽しそう」と思っていたいのです。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。