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フリーランスは自由?

2018.09.07

こんにちは、萩ドットライフ()です。

フリーランスって「時間を自由に使えるんでしょ」って思われてますよね? はい、合ってます。でも「自由な時間がいっぱいあるんですよね」という解釈はビミョー。「自由」は「自己管理可能な」という意味であって、ヒマを持て余してるワケではないのです。

「フリーなんだから出てこれるでしょ」って、フザケンナ

フリーランスにとって、時間って「価値」なんですよ。誤解しないで頂きたいのは、「価値」だけれども「賃金」にはなりません。
でも、時間をどう管理するかによって、成果物に影響が出るのです。その成果物の評価が「賃金」になるのですね。
他人から拘束される時間は原則ありません(※自分の選択によって、時間を拘束される案件を請ける場合はあります。当然、拘束される時間帯は生まれますね)。
時間は、シビアに管理して使って、そこから何かを生み出すものなのですね。「そこにいること」でお金が発生することはないのです。なのでムダな時間をとことん嫌います。

時間には優先順位をつけて割り当てていきます。その中に「仕事」の時間と「私生活」の時間が混在していて、ある場面では私生活用の時間を優先して割り当てることができるのは事実です。
そのあたりが「自由でいいね」と思われる原因なのかもしれません。

時間を使う中には「準備」も含まれています。準備の中には「いつ使うかわからない技術の習得」とか「仕事への取り組みかたに関する考察」とか、切羽詰まっているわけではないことに対する「準備」もあって、これがとても重要なのです。
僕たちフリーランスは、何でもないときにこそ、危機に対応するべく準備をしているものなのです。
危機が起こったときに、その備えを活用して状況を乗り切る人を指して「ズルい」というようなヤツは、蔑まれる世界なのです。

だから、優先順位の低い(=つまらない)スケジュールに時間を当てるよりは、「準備」に対して時間を充てることを選びがちです。
「フリーなんだから出てこれるでしょ」と言うような方と会うためのスケジュールは、優先順位が低いのです。

ちょっとの拘束が、だんだんと苦痛になる

前述のように、自分の選択によって時間が拘束されるケースがあります。
僕の場合、Webデザイナーなので「運用業務」というのがあるのですよ。毎週1回、クライアントの担当者からの連絡を受け、決められた工程に沿って、更新作業を完了させることが義務付けられています。そういうのが常時、複数案件動いてますね。
先方の環境に入るには、固定IPの登録が必要になるのですが、僕の場合VPN(Virtual Private Network/文脈とあまり関係ありませんので、興味ある方は、ご自分でお調べください)を使用しているので、場所は拘束されていないのです。

つまり「ずっとその場にいる必要なくて、連絡があったら対応してね」「毎週、ココとココはお願いね」というユルユルの拘束なんですが、それがちょっとした苦痛になりますね。
スポットで「この日大丈夫ですか? お願いします」ならば平気なんですよ。「毎週」っていうレギュラー感がキツいんですよね。

今は、間にディレクターを挟むことで、回避していますが、以前は「定例会」なるものにも出席してたんですよ。
「僕がいる意味、なかったですよね」とか「こんなに時間かける必要ありました?」みたいなことがとても多かったのです。

おそらく、拘束してくる人(クライアントとか広告代理店とか、だいたい大企業の従業員の方々ですね)は「仕事出してるんだし、そのくらい対応してよ」ってことなのだと思います。彼らは、その間も給与が発生しますから。根本的な時間に対する考え方が違ってるのですよね。
多くのサラリーマンの方々は「そんなもん、拘束されてるうちに入らない、ちょっとじゃん」と思われることでしょう。
僕も最初「そうですね、ちょっとなら」と思っていなのが、だんだんと「当たり前」になってくるにつれ、苦痛を増してくるようになったんですよ。そういうものなのです。

自由時間と業務時間の境界がない

フリーランスって自由時間と業務時間が、分かれてないんですよ。
すべてが自分で管理すべきものであって、ときには「仕事100:自由0」って期間もあるのです。逆に「仕事0:自由100のときもあるけど、誰も文句いうなよ」なのですね。

一応「ライフ・ワーク・バランス」って概念は理解しています。でもそれって「自分で管理して作る」もんなんですよね。
それを他人が触ってこようとすることに嫌悪感を感じるのです。冒頭のタイトル『「フリーなんだから出てこれるでしょ」って、フザケンナ』ってことになるのです。

ただ、このあたりの価値観が、年齢とともに変化してくるのですよ。

10年前、40歳代の頃って「仕事100:自由0」の期間が多いことをすごく喜んでいて、「忙しい自分、ステキ」だったのですよ。それが、最近は「仕事100」なんてとんでもなく苦痛で、どんどん仕事の割合を減らしていきたいと考えているのです。
どの程度のバランスが最適解なのかは、自分でもわかりません。
もしかして「仕事100のときもあってもいいけど、その内容を変えなきゃいけない」ということなのかもしれません。

基本、僕は「準備」が好きなのですよ。前述の通り、活用するかどうかわからない技術を取得したり、携わったことのない職業のことについて学習したり、仕事のやり方や、これから自分が向う分野についての考察をしたり。
そういう時間を確保しつつ、請負業務(クライアントワーク)と自己完結業務(スタンドアローンワーク)に費やす時間を上手く按分することができるのであれば「仕事100も楽しいし快適かな」と思っているのですね。

だからこそ「セミリタイアするぞ」などと騒いでいるのですが、こういう試みに対して心理的距離が近いにのは「フリーランスの強み」なのかもしれません。ちょっと「自由」っぽい感じに収まったかな?

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