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手離れの良い仕事・悪い仕事

2018.11.20

こんにちは、萩ドットライフ()です。

「あそこの仕事、手離れ悪いんだよ、困ったもんだ」みたいなことをいうことがありますよね。概ね、手離れがいいほうがポジティブってことにはなっているようなんですが、クライアントそのものとは、長くお付き合いしたかったりもするんですよね。

ムダな時間を使いたくない

僕がフリーランスのWebデザイナーだからというのもあるかもしれません。とにかくムダな時間を使いたくないのですよ。
サラリーマンの方々のように「ヒマそうにしていたら、別の仕事を押し付けられる」とか「夜中まで残って仕事をしていたら、残業代が発生して所得が増える」なんてことはないのです。

なので、薄っぺらい会議への出席とか、延々と続く出し戻しとかが、とにかくイヤなのです。

とはいえ、僕も案件を受注して、所得を得なければなりませんので、クライアントとは長いお付き合いをしたいと思っているのですよ。
今のメインクライアントとは、もう20年弱のお付き合いがあります。
これに関しては、手離れが「悪い」方がポジティブなんですよね。

なんとなく、手離れが「いい」方がポジティブなものもあれば、「悪い」方がポジティブなものもありそうですので、

  • 作業
  • 案件(プロジェクト)
  • クライアント

に分けて、「手離れ」についての考え方を整理してみますね。

作業はテンポよく、手離れがいいほうがいい

たとえば「Webサイトの中に1コンテンツを追加する」とか「ページ内のある部分のレイアウトを変更する」みたいな「作業」のことですね。
こういうのは、手離れがいいほうが、心地よく仕事ができますね。

誤解されたくないのは「デザインに関しては僕がプロなのだから、僕を尊重してください」とか「ご指示いただいた通りにできてるじゃないですか」という要求を通しながら自分の作業量を減らしたいということではないのです。

クライアント、または広告代理店と問題の共有ができていて、かつ、好みを把握した上で、僕がほんのちょっと予想を超える案を提示すれば、ピタッと決まるもんなんですよ。
そして、そうなったときは、とても気分がいいんですね。

反対に、手離れが悪いときというのは

  • ダメ出しをするのが自分の役割だと思っている人の存在
  • 企画が固まっていなくて、刻々と状況が変わり続ける
  • 僕の理解不足で、スカッとした案が提出できない

などでしょうか。
作業の手離れが悪く、テンポよく進行できないときって「バランス崩れてるな」と感じますね。

担当者が新任だったりする場合。クライアントや代理店の内部において、教育フェーズだったりして、ギクシャクすることはありますけどね…。
そういう場合は「仕方ないかな…」と思うようにしています。

クライアントとは手離れ悪く、長いお付き合いを

あくまでも、一応の基本姿勢が「クライアントとは手離れ悪く、長いお付き合いを」ってことなんですよ。クライアント以外にも「広告代理店」「制作会社」なども含まれるんですけど、まとめて「クライアント」ってことにしておきますね。

5年以上、お付き合いが続くところって、ある程度限られてきますよね。
「末永くお付き合いを」というクライアントよりも、「もう御社と関わりたくありません」とくところのほうが多い印象ですね。

たぶん僕がフリーランスだからってこともあるのかもしれません。
ちょっとナメた感じで近づいてくる人の案件は、請けないようにはしているんですが、それでも地雷探査装置が作動しないことってあるんですよね…。

でも、最も長く続いているクライアントは、もう20年弱のお付き合いになります。
ここは、手離れが「悪い」ことが心地いいのですよ。
冒頭に書いた「ムダな時間を使いたくない」と若干矛盾しますが、方針についての見解を求められたり、新技術導入のトライアルを要請されたり、僕はあまり好まないのですが、他社制作の案件について評論を求められたり…。

ワリと「金にならない」ことも多くやってきました。
おそらく、そこの担当者たちと気が合っていたので、僕も「共同研究」みたいな受け止め方をしながら、ちょっとしたメンドクサごとに喜んで応じていました。

途中、そのクライアントが企業合併しそのドサクサで、2年間提携業者から外されたことがあったのですが、再度呼び戻してくれたのは、いっしょにメンドクサごとに取り組んでいた宣伝部署の担当者でした。
結果。20年弱にわたってその会社の案件を受注し続けることができているのです。

「この会社と付き合うの、気持ちいいな」というクライアントには、少々メンドくさくとも、ずっと関わり続けられる方策を考えたほうがいいと思います。
僕の場合は、それが前述の「メンドクサごと」だったってことですね。

でも、案件ごとの「定例会」への出席はずっとイヤがり続けてたんですけどね…。

案件(プロジェクト)は……。ケース・バイ・ケースかな

案件に関しては「作業」と「クライアント」の中間くらいですかね。
僕は「担当者による」が正解だと思っています。

僕のメインクライアントは、マンションデベロッパーなのですよ。
ときどき、キャンペーンサイトやイントラ上にある延々と運用し続けるサイトの制作も請けますが、多くはマンションを販売するためのサイトを請けています。

デベロッパーは物件を作り続けるので、Web制作の仕事も切れないのですよ。
しかも、完売すればサイトはクローズしますので、かならず手は離れます。

正直、作業の手離れの悪い担当者の場合「早く完売しないかな、手を離したいよ」と感じるし、作業の手離れのいい担当者の場合「この物件、ずっと続けていたいな」と思うのです。

Webサイトって、環境も技術もどんどん変わっていきますから、3年も経てば、やってることがまるっきり変わるのですよ。
クライアントによっては10年以上も全面的改修をすることなく、古い技術のまま更新作業を続けている会社もあります。

以前、そういう会社のサイトを制作し、ずっと運用を続けていたことがあります。
途中で何回も「もう古いので、全面改修すべきです」と具申しても一向に聞き入れられず、結局「もうこれ以上関わりたくありませんので、他の業者にご依頼ください」と、こちらからお付き合いを断りました。
そのときは広告代理店もクライアントも、この案件のためだけにお付き合いしていたので、すべてと決別することになりましたね。

どうしても、案件ごとの収益を考えるので、ちょっと長く保持して、そこから安定収入は得たいので、あまりに手離れの良さ過ぎる案件はちょっとさみしい。しかし、手離れ悪すぎて古い技術で作ったサイトを延々とメンテナンスさせられるのは、結構な地獄。ってところでしょうかね。

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