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稼げないフリーランスは、セミリタイア状態なのか?

2019.05.12

こんにちは、萩ドットライフ()です。

まず否定しておきますね。稼げないフリーランスのことを、セミリタイア状態とは言いません。「セミリタイア」ってマインドの問題で、自ら望んでなるものだと思うのですよ。仕事がなくて困ってる人はフリーランスを継続することはできないのです。

昨日投稿した「a href=”https://www.hagi.life/misc/2019/0511/1947/”>セミリタイアと世間の目」という記事で、僕はもともと「昼間ぶらぶらしてるオッサン」だったということを書きました。
20年以上、フリーランスとして働いているので、サラリーマンの方のように「会社を退職しました、今日からセミリタイア生活を始めます」みたいな状況とは少し異なるのですよ。

実は、このブログを開設しつつ「セミリタイア生活はじめよう」と書き始めた頃から、うすうす感づいてはいたのですよ。

「とくに宣言せずとも、フリーランスって稼げていないときには、セミリタイア状態なんじゃないのか…?」と。

「セミリタイア」はマインドの問題

違いますね。
まず、自分がその状態を望まないと「セミリタイア」していることにはならないのですよ。

僕の場合、20余年にわたるフリーランス生活の中で、2度ほど数年におよぶ「稼げない時期」を過ごしています。
一度目は、開業直後の3年間。「稼げない」どころか、赤字を積み上げていた時期です。
「単なるデザイン事務所を立ち上げてもつまんない」とか「自分の仕事を見てくれる人が、どんな表情をしているのか確かめたい」など言いながら、デザイナー業をちょっと脇において、舞台公演のプロデュースなどをしていたのですよ。

テレビの報道番組で特集を組んでもらったり、バラエティ番組にキャスティングしておらったり、雑誌や新聞の記事にしてもらったりと、若干バズってる感はあったのですが、まったく稼げていませんでした。
(参考:フリーランスになったころの失敗を記して、平成時代を後にしよう

Webデザインの仕事で食えるようになった後も、ビジネスのセオリー通り「取引先を分散」させることをせずに、メインクライアントの案件を優先的に受注する手法を取っていました。
その方が、案件を管理する上で効率的なこともありつつ、人間関係がとても上手く行っていて、快適だったこともあります。
そのメインクライアントが同業他社と合併し、組織が改変されたのを機に、指定業者から外されるという憂き目にあったことがあります。
ちょうど50歳になるかならないかの頃ですね。
いろんな方の尽力で、再び業務委託契約を締結することになって今に至るのですが、まるまる2年間「干された」時期があります。
(参考:結局「取引先の分散」なんてしなかったな

20年で2回のピンチで済んだのですから、僕は運が良かったのです。
1回目(開業当初)は借金まみれになって、お金がピンチ。2回目(メインクライント戦力外)は、蓄えはあるものの50歳になろうというところだったので「この歳だともう新規開拓は困難か」と、年齢的にピンチ。
まったく、状況が異なるピンチだったのですが、こういう「稼げない時期」って、とにかく精神的に参るのですよ。

「とにかく、現状から脱出したい。仕事を得たい」という焦っているのです。セミリタイアとは正反対のマインドですよね。
こんなの、セミリタイア状態なワケありません。

準備あってこその「セミリタイア」

「上手くやれば、もう働かなくても最低限の生活はできるかもしれないな」という状態を作ることが、セミリタイアのスタート地点だと思っています。
特に贅沢なことは考えていません。月額10万円とか15万円程度の年金世帯、もしくはフリーターの収入程度が確保できればいいのです。
(参考:自前のベーシックインカムを作る

とりあえず「稼げなくても構わない」状態を作るべきなのですね。
そうすると、セミリタイアの「セミ」の部分で自分の好きなことができるようになるのです。

僕は、開業当初の1回目のピンチのときは「ダメだ、もうフリーランス続けられない」と、バイトを探す直前まで行ってましたもん。
「稼げないフリーランス」は、セミリタイアどころか、フリーランスすら継続できないのですね。

このブログのいたるところで、繰り返し書いていますが、僕にとってのセミリタイアは「仕事を辞める過程」なのではなくて「職業人としての寿命を延ばすための準備」なのですよ。

働かなくても最低限の生活はできるようになったからこそ、好きで快適な働き方に組み替えて、長く働ける老後を組み立てたいのです。

フリーランスにとって、老後は「プロジェクト」

以前『「フリーランスの老後」をプロジェクト化』でも書いたように、あまりフリーランスの人がどういう老後を送っているのかを知らないんですよ。
上手くソフトランディングできた人のことしか話題になりませんからね。

それどころか「フリーランス40歳限界説」なんて言葉があるように、だんだんと姿を見なくなっていくものなのですよ。そういう「消えた人」は、自然と話題に上らなくなりますよね。
なので、僕の想像でしかありませんが、多くの人が職を変えてるのではないでしょうかね。
中にも「生活のための仕事」を晩年までなさる方も、少なからずおられるのではないでしょうか。

フリーランスには、サラリーマンにはない自由さがあります。
でも、あらゆることを自分で賄わなければならないのですよ。もちろん「老後の準備」に関しても例外ではありません。

同年代のサラリーマンが、定年退職し、退職金をもらい厚生年金を受給し始めても、フリーランスは「どうやって働こうか?」と延々と考え続ける人が多いように思います。
「生活のため」の方もいれば「そういう質(たち)だから」という方もいるでしょう。

リタイアしても「セミ」の部分は残し続けるのがフリーランスなんじゃないでしょうかね。
ならば「生活に困ってるわけじゃないけど、何かしらこさえて収益を得られると、楽しいんですよ」と言いながら働き続ける側になりたいですよね。

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