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好きなことを仕事にすると辛い? 30年続けてみた

2019.08.17

こんにちは、萩ドットライフ()です。

「好きなことを仕事にすると辛いよ」という言葉に接するたびに「自分が社会に出た昭和時代と同じこと言ってるな」と思うのです。僕は好きなことを仕事にして30年。今のところ「まあヨカッタよ」と感じていますが、あと20年くらいは観察を続けてみます。

「好きなこと」だから頑張れるのです

僕が大学を卒業して社会人になったとき、時代は「昭和」でした。
まだみんな「バブル」だと気づいてなくて「好景気」だと思ってた頃ですね。バンバン内定が出ていて、就職もしやすかったのですよ。

僕は「小さい会社に入りたい。将来自分の会社を作りたくて、その会社は零細スタートに決まってるから」などと、思っていましたので当時の浮ついた感じや、派手な振る舞いは一切経験していませんけどね…。

学生の分際で「将来自分の会社を…」と思ってたということが、浮かれてたってことなのかな? そんなことないですよね。

その当時から「好きなことを仕事にすると辛いぞ」という言い方ってあったのですよ。
今もSNSなどを眺めていると、そういう言説に出会うことがすくなくありませんので、少なくとも30年間は語り継がれている言葉のようです。

僕は、好きなことを仕事にしました。
駆け出しのカタチになっていないころを含めて、30年くらいデザイナーを生業としているのです。

どうせなら「好きな働き方」も含めましょうか。
30代半ばでフリーランスになりましたから「好きなことを、好きな働き方」で20年間やってきているのです。
以前「フリーランスになったころの失敗を記して、平成時代を後にしよう」という記事で触れたように、順風満帆だったというわけではありませんが、概ね良好だったと思いますよ。

まずは、気が晴れるのですよ。

「ああ、なんか自分の生きる道が見えてきたウレシイ」と心がスッと楽になるのです。
当然、不安や恐怖もありますが、それを超える楽しさを体験できるのですよ。

開業当初はガタガタと苦しい思いをしましたが、なんだかんだ言いながら「好きなこと」だから頑張れたのだと思います。
「しばらくは最低限の収入でいいや、この楽しさを失いたくない」みたいな気持ちになってましたからね。

「頑張ってる」なんて認識しないままに、1日中、仕事のありそうなところにメール出して「会ってください」って伝えてたり、グラフィックやらWebの謎作品を作ってたり、新技術の練習をしたりしてました。

僕は幸運にも、3・4年で「食える」ようになりましたから、生存者バイアスはあると思います。
それを前提として言うならば「好きなことがあるならば、仕事にしてみればいいじゃない」という立場です。

当時の僕も思っていましたが、二進も三進もいかなくなったら、やめりゃいいんですよ。

「好きなことを仕事にするぞ」って行動力のある人は、「やっぱダメだ、やめた」って行動力もあるはずなのです。

好きなことを仕事にすると「嫌い」になります、ホントです

「好きなことを仕事にすると、好きだったことが嫌いになるよ」は、僕の場合はホントでした。

もうちょっと丁寧に説明すると、好きは好きに違いないんだけれども、その周囲に「嫌い」なものが付着してくる感じでしょうかね。

当たり前だけれども、

  • クライアント、広告代理店のニーズに合わせなければいけない
  • 請求書発行したり、決算とかしなきゃいけない
  • 雨降ってるのに、定例会とか打合せとかに呼ばれる
  • 作業がノッてるときに、電話かけてくるヤツいる

みたいなことが起こるのですよ。

その中の多くは「社会人なんだから、仕事でやってるのだから、当たり前だろ」なことなのですよ。
でも「好きなことを仕事に選んだ」という開放感との対比で、嫌なことが余計に嫌に感じられるのです。

それと「好き」で「楽しく」手を動かしていたことが、日常(=当たり前のこと)になっちゃうんですよね。
だんだんと「好き」も「楽しい」も色あせていくのですよ。
もちろん、そこが工夫のしどころなのですけどね。どうしても限界がありますよね。

では後悔してるか? といえば、ぜんぜんそんなことはないのです。
30年前に戻って「飽きて、嫌になるけどデザイナー、やる?」と問うても、答えは「やる」でしょうし、同じように途中でフリーランスになるでしょう。

「自分で考えて、自分で決めた」が、いちばんスッキリするのですよ。

前述の通り「嫌だったらやめればいい」のですよ。

そして「うん、嫌だな」「やめて別のことをやってみるか」と考えているのが今なのです。

このブログ全体のテーマなのですが「デザイナーをやめて、セミリタイア生活を始めている」のです。
いったん、1年以上の長期休暇を取って、再度自分が就く職業を作り直そうとしているのです。

「やってみてダメなら、やめて別のことやればいいじゃん」を自分で試してみようとしているところなのです。

「好きではなくなる」のではなくて、次の「好き」ができるのです

「好きだから」とデザイナーになって約30年。「決めた、これだけで食っていく」とフリーランスになって約20年。
自分の感情は、そのときのままなわけなワケないですよね。

自分の「やりたいこと」「好きなこと」ってどんどん増えていったり、変わっていったりするものなのですよ。
「好き」で始めたデザイナーという仕事も、嫌いになったり、「好き」の順位が下がったり、ときには「どうでもいいもの」になったりするものなのですよ。

それでも「デザイナーがオレの生業だ」と思っているし、請求書に「デザイン料」などと書いて、毎月の収入にしていますから、あの手この手で「デザイン、大好き!」に戻そうとするし、それでどうにかこうにか50代半ばまでやってこれたのですよ。

ただ、ここに来て。
「オレもサラリーマン年齢に換算すると、そろそろ定年なのか…」と思うようになってから「別の好きなこと」「別のやりたいこと」を仕事にしたくなってきたのですよ。

すでに、デザイナーとしては新規案件を請けていません。
現在手元にある運用案件がすべてクローズしたら、いったん無職になって、前述の通り「1年間の長期休暇」を取ることにしています。
その間に、いろいろ考えたり、準備したりしようと思うのですよ。

そんな今「やっぱり、デザイン好きだな」と思っています。
「次の好きなこと」に向かおうとしていますが、デザイナーとしてのマインドセットは自分の基本姿勢になり続けると思います。
(参考:デザイナーは引退しても、デザインは続けるよ

「次の好きなこと」という表現でもいいけど、もともと「好き」なデザインの仕事が、サイズアップした感じでもあり「昔と比べて、デザインの概念が変わっって来たんかもな〜」という感じでもあります。
「デザイナーをやめる」といいつつも「デザインと向き合い直す」ような感じもしています。

人は常に「もっと自分がやりたいこと、あるはずなんだけどな」と、周囲を見渡し続けているものなのですよ。

「好きなことを仕事にすると辛い?」という問に対する僕の答えは、

  • 「辛いこともあるけど、楽しいことの方がもっと多いよ」
  • 「好きなもののカタチはずっと変化し続けるから、好きで居続ける工夫は必要だよ」
  • 「好きだったものが、嫌いになることもあるけど、そしたらやめればいいよ」

といったところでしょうかね。

僕は今「そしたらやめればいいよ」に臨んでいます。
その後の僕が、楽しそうにしているかどうかは、引き続きこのブログに記録していくことにしていきます。

そうそう、このブログも「次にやりたいこと」のひとつなのです。なんかしら作り続けていたいのですよ。
以前『「作る人」で居続けよう』という記事を投稿していますので、ご参考に。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。