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僕はもう、プロじゃない

2019.09.26

こんにちは、萩ドットライフ()です。

無職になりました、僕はもうプロじゃないのです。長い職業人生活で歪んだココロとカラダを、元に戻そうと考えています。歪みというのは、プロで居続けるために必要な最適化のことです。もう一度アマチュアとしてデザインと向き合ってみたいのです。

以前投稿した「デザイナーは引退しても、デザインは続けるよ」という記事を読み直しています。

半年も前に投稿した記事なので「ヒドい文章だなあ」と思っています。
たぶん、それだけ僕が文章を読むチカラが向上しているのでしょう。書くチカラは、ご覧の通りです。

デザインに飽きてるわけじゃないんですよ。

今こうして「また何かの初心者になりたい」と思っているわけですが、また違う景色を見たいのですよ。
まだ自分には見えていない景色があると感じていて、それを見てみたいのです。

などと書いていますが「まったくもってその通りだな」などと思いながら、読み直しました。

ずっとブログを書いていてると「あれ? オレこんなこと考えてたか?」とか「これ書いたの、ホントにオレ? なんか変なもんに影響受けてない?」などと思うような文章が多々残っているものなのですよ。

それでも、この一文のように、半年経っても「そうそう、これこれ」と納得できるものも残っているものなのです。
「半年も変わらないんだから、これから自分が向き合っていく考え方に間違いないな」などと、思っているところです。

ようやく、ほぼ無職になった今「デザイナーを引退するよ」から「引退したよ」に変わって、僕の気持ちにも少し変化が現れてきたのです。

どうやって生きていこうか?

これまで、このブログに「セミリタイア生活をはじめたよ。無職になるよ。あれやりたい、これやりたい」と書き続けてきたのですが、実際に無職になると「さて、これからどうやって生きていこうか」と、改めて考え始めるものなのですよ。

とりあえずやってみる。そうでないとなんとも…」で書いたように、実際に自分が本当に行動するフェーズにならないと、本気の自分と向き合えないのですよね。

「どうやって生きていこうか?」は、資金的な問題ではありません。

無職になる途中では「あれ? ホントに大丈夫かな…。お金減り始めてる、怖い」などと思うこともあった、資金問題ですが、今は「始まっちゃった以上、どうにかするしかないな。ま、どうにかなるだろう」という楽天的な状態に落ち着いています。

案外「そっか、もう働かなくてもいいんだ」という状態を得られたことが、スッキリして快適なのですよ。

プロのデザイナーが求められる「毎日デザインのことを考える人」であることも「信用を失わないために、締切を守る人」であることも「クライアントの意向を読み取る人」であることも、誰からも求められないのですよ。

「自分の好きなことをやって生きてもいいんだ、もうプロじゃない。アマチュアなんだ」という状態を得たら、あれだけこのブログの至るところで「あれやりたい、これやりたい」って書いてたクセに「ホントにオレが好きなことって何だっけ?」と、少しオロオロしているのです。

おそらく、いちばん大きな目的は「今いる場所から、いなくならなきゃ」だったような気がしています。

というか、こういう「やりかけ」のことを延々と続けていきたいのだろうと思うのですよ。
こないだまでは「田舎暮らししたい」とか「古民家買ってセルフリノベーションしたい」とか言ってたし、「狩猟やりたいな」とか「ローカルメディア作って、人に会って回りたい」などと思っていたこともありました。
そして今、「この場所から出れば、とりあえずオッケー」みたいな気になっています。

そのときそのときの「なんだろう、こんなの好きだな」を記録しておいて、
「なんでいいのか、なんで好きなのかわからないけど、分かったらまたブログで書きます」
「実際にやる気が出たらやります」
みたいなことを、しばらくは続けてみようと思っているのです。

この「やりかけ」を許す感じが「プロじゃない」感じがして、いいのですよ。
なんで「いい」と思うかは、また思いついたら書きます。

それよりも、デザイナーというクライアントワークをやりたくなくなっちゃったんですよね。
まずは「やりたくないことから逃げた」といったところです。

とりあえずは、見たことのない景色を探して、見晴らしのいい方へ歩んでみます。

ワイルドさを取り戻そう

ちょっと人生に、ワイルドさを取り入れようと思っているのです。
「坊主にしよう」「ヒゲを生やそう」という外見的なことではありません。坊主もヒゲも、すでに10年以上これです。

たとえば「マッチもライターもないから、木を擦って火をおこそう」とか「自分の手で食べ物を捕まえよう」みたいなことなのです。

僕がデザイナーのプロであったときには「無駄なこと」「非合理的なこと」と避けていたことを積極的にやってみたいのです。

過去に「古民家再生をDIYでやりたい[思いついてることを記録する]」という記事を投稿したことがあるように、「自分が暮らす場所くらい、構造を知っていたいし、自分でメンテナンスできるようになりたい」という欲求があるからなのですよ。

おそらく、今の僕はそういうことを感じている自分が面白いのですよ。だから「この場所から出たい」と思いついたのです。
そういうところから喜びを感じる状態ができあがってる気がするんですよね。これもまた「やってみなきゃわからない」ことなんですけど…。

僕が今考えている、ワイルドなことが「田舎暮らし」なのです。
なので、まずはこれを最初の着地点にしようと思っています。

長い職業人生活で歪んだココロとカラダを、元に戻そう

とりあえず僕は「1年以上の長期休暇を取る」ということにしています。
もうセミリタイア生活を始めているので、以降の人生ずっと休暇みたいなものではありますが、それでも「生産的な趣味」程度の仕事を延々と続けたいがためのセミリタイアなのですよ。

だから、ゆくゆくはうっすらと仕事的なことに知恵を巡らせるフェーズがやってくるのですが、とりあえず1年間は、それすらも考えない。考えが浮かぶことは仕方ないけど、強制しないという意味です。

ずっと職業人として生きていると、心身が歪むのですよ。

30年もデザイナーをしていると、デザインとしての成果物をアウトプットするための思考回路になっているし、1日中デザイン関連のアプリを触り続けることができる身体になっているのです。

一見、外から見てもわかりませんが「染物屋の職人の指が藍色に染まっている」ような現象が僕にも起こっているのですよ。

これは、プロでいる間には必要不可欠なものです。

でも、僕はもうプロではないのですよ。これからじっくり時間をかけて、この歪みを元通りに補正していこうと思います。
そしてもう一度、アマチュアとして「デザインってなんだっけ? どんなチカラがあるんだったっけ?」と考え直すことからはじめて、「プロじゃない」今後の自分の生活に役立てたいと思うのです。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。