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正しくサボることが、フリーランスの職業人生を伸ばす

2020.03.27

こんにちは、萩ドットライフ()です。

メンタル壊すのは責任感の強い人なのですよ。フリーランスにはそういう人が多い印象を持っています。しかも他人に弱みを見せるのを嫌うっていうね。若い頃から「正しくサボる」イメージを持っていれば、少しは職業人生が変わるように思うのです。

踏ん張りが効かなくなる予兆

「無職になって半年も過ぎたのに」なのか「半年も過ぎたからこそ」と言うべきなのかわからないけど、定期的にフリーランスのデザイナーとして様々な案件を請けていたころの「あ〜すればヨカッタ、こ〜すればヨカッタ」を繰り返し考えています。

とくに反省会をしているわけでもないのですが、なんとなく気になるのです。

もしかすると、僕の寿命が尽きるまで、何度も何度も考え続けることなのかもしれません。

このブログの過去記事でも何度か書いていますが、僕は40代後半でパニック障害を発症して、いったんほぼすべての案件を他の同業者に敗戦処理をしてもらったことがあります。
そのとき、約3ヶ月間休みました。

今から考えると、ここが「潮目」だったのだと思います。

それまでは、自分をわりと踏ん張りが利くほうだと思っていたし「少々のトラブルだったら自分が頑張れば、どうにかこうにか案件を着地させられる。そういう技術を身に着けてる、任せろ」くらいの気概は持っていたのです。

過信していた部分もあるでしょうし、加齢も影響しているのでしょうが、このころから踏ん張りが利かなくなったのですよ。

今ふり返ると「予兆はあったんだよな」とも思います。

なんとなく、判断力や瞬発力が鈍り始めてて、地雷臭がするのにズルズルと何の対策もできず対応が遅れ、それが原因で、踏ん張るべき場面を以前よりキツく感じ始めていたのですよ。

この「判断力、鈍ってるな」という感覚は、3ヶ月の休養後に復帰してからも収まることはなく、結局「焼きが回ったな。デザイナー辞めよう」という決心をするに至るのです。

「あのとき、何か打てる対策はあったのだろうか?」と考えます。

フリーランスは基本、単独行動だしリモートワークなので、こういうときに仲間に助けを求めたり、調整を要求するタイミングを逃しやすいのですよね。

ひと呼吸、遅れるのです。
前述の通り「最後はオレに任せろ」くらいのこと、いつも思ってますしね。

メンタル壊すのは、責任感の強い人

なんだかんだ言いながら、フリーランスでちゃんとメシ食ってる人って真面目なのですよ。
ちょっとした呼吸の遅れを、自分で吸収しようとしてしまうのです。

ここで「そんなのオレのせいじゃねえよ、そっちで調整してよ」っていう処理の仕方ができていれば、楽になった場面がいくつもあったように感じます。

当然、軋轢を生んで失う案件もあるでしょうが、それよりも「いいっすよ、こっちでカバーします」と、すんなり逃れられたトラブルって、実は多かったんじゃないかな? と。

僕なりの予想でしかありませんが、プラスの効果とマイナスの効果を比べればプラスのほうが多かったんじゃないでしょうかね。

自分がパニック障害を発症したことって、まさに晴天の霹靂(へきれき)でした。
これをきっかけに、メンタル系の情報をググり回ったりしていたのですが、至るところで「メンタル壊すのは、責任感の強い人」って言葉を目にすることになるのですよ。

これ、もうちょっと前に認識していて「全部自分で抱えようとしてるな、これはいかんぞ」と手前でさばくことができていれば、もう少し職業人生は伸びていたのかな? と思います。

僕の場合は結局、引き際を自分で決めることができて、今こうして無職になって、次の人生のことを構想しつつ快適に暮らしているので、どちらが良かったのかは謎ですけれどね…。

かつて投稿した「何歳になってもコンプレックスを克服できない」でも書いたように、僕はデザインをするための美術教育を受けていないし、Webサイトを構築するための工学教育も受けていないのです。

だから仕事を失うときは、表現の引き出しがなくなるか、技術不足を責められるかのどちらかだと思っていました。

パニック障害を発症するまで、まさかメンタルやられて自分に焼きが回ったことを知ることになるなんて、思ったこともありませんでした。

「もっと、正しくサボることに注力すべきだったな」と思っています。

正しくサボるポイント

全然できていなかった僕が言うのもアレですが、「正しくサボる」って、高度な技術だと思うのです。

一度「ダメだキツい。ぶっ壊れる前にサボろう」と思うと、サボることがクセになり「サボろう」のハードルがどんどん下がってきて「仕事をサボりがちな人」ができ上がってしまいます。

他方、サボってしまったことを気に病んで「なんで、あそこでサボってしまったんだろう? もっと踏ん張れたはずなのに」と、かえって自分を追い詰めてしまうことにも…。

仕事としての成果はキープしながら、自分の健康をケアをするという、上手いところでバランスを取り続けなきゃいけないってことですからね。

しかも、僕は無職になって暇で退屈な毎日を過ごしている今だからこんなことを考えていますが、実際に作業に没頭してるときって毎日必死ですからね。

起きたら仕事の事を考え、仕事のことを考えながら寝る毎日。
「正しくサボろう」なんて考える余裕なんてありませんよね。

逆に、だから今、考えてるんですよね。
「どこが正しくサボるべきポイントだったのか?」

案件と案件の間に、振り返りをすべきだった?
気になることがあれば、すぐに口にすべきだった?
自分じゃなくてもできることは、断るべきだった?

答えなんて、出ようはずもありません。

でも早い時期から「正しくサボらないと、ぶっ壊れるよ」という認識をちゃんと持っていて、ことあるごとにアタマの中で反復していれば、少しは影響あったのかな? と思います。

おしなべてフリーランスの人って、他人に弱みを見せるのを嫌うのですよ。
そういう生き物だから、仕方ないのです。

でも健康を害して退場するよりは、上手に弱みを見せつつ職業人生を伸ばしたほうがいいですよね。

職業人生を伸ばすということは、引き際を自分で決められるということですから。

過去に「頑張って良かった。老い方を選ぶことができてる」という記事を投稿したがありますが、自分の引き際を自分で選べることって、とても幸せなことだと思うのです。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。