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「○○はどうですか」って質問、いったい何?

2020.08.11

こんにちは、萩ドットライフ()です。

「〇〇はどうですか?」という問いをしてくる人がいます。これがなかなか処理に困るのですよ。端的に言えばうっとうしいのです。悪気がないのは分かっています。おそらく天気の話の延長で、僕が関心のありそうな話題を振ってくれているのでしょうね。

「萩はどうですか?」

この1年のうち、おそらく3・4回程度「萩はどうですか?」という質問をされました。
理由は分かりきっていて、このブログでもずっと書いてきているように、

  • セミリタイアして萩に移住するための準備をずっと進めていた
  • この2年間、東京と萩の二拠点生活をしていた
  • 萩に本移住するために、古民家を探していたし、購入に至った
  • 東京のマンションを売却し、萩へ引っ越す準備を進めている

などなど、僕自身がずっと「萩。萩」言い続けてるからなのです。

「萩」というのは、山口県萩市のことです。

ここ数年、僕は自分の生活環境を変えるべく、ずっと続けていたフリーランスのデザイナー稼業をいったん終えて無職になって、東京のマンションを売払い、山口県萩市に移住する準備を続けてきたのです。

それで周囲の人も「萩はどうですか?」という質問をしてくるのだということは十分に理解していますし、何も悪気がないことも分かっています。

メッセージにしても、電話にしても、本題以外のちょっとした雑談を混ぜたほうが親近感を感じる的なコミュニケーション手法ですよね。

「週末は3連休ですね。どう過ごすか、もうお決まりですか?」みたいな感じで「萩はどうですか?」と聞いてこられているのだろうと思います。

別に「萩はどうですか?」の「萩」の部分に引っかかっているのではないのですよ。「〇〇はどうですか? って雑な聞き方、やめてくれないかな」と感じているのです。

僕はこの質問のされ方がうっとうしくて、本名SNSから遠ざかってる部分もあります。
(参考:facebookを使うのをやめた理由

SNSに「扇風機買った」と書けば、メッセージのやりとりを何往復かしたあとに「ところで、扇風機の使い心地はどうですか?」とか、「風邪引いた」と投稿すれば、電話の第一声が「風邪の調子はどうですか?」とか…。

概ね「あなたとは、ビジネス上のやりとりだけで十分です。とくにプライベートな部分に関心ありませんし、関心持たれたくありません」という人に限って「どうですか」という問いを投げて来がちなんですよね。

プライベートを共有できそうな感じにならない同士だからこそ、そんな質問のスタイルになっちゃうんでしょうけどね。

返答すべき内容を、こっちが考えなきゃいけないの?

もう一度「萩はどうですか?」に戻りますと、第一に「萩」の何について訊ねられているのかイメージができないのですよ。

おそらく先方もそこまで考えていないのでしょう。

そういう僕が関心を持っていそうな話題をザックリと投げかることによって、僕がテキトーに雑談を始めることを期待しているのでしょう。
たとえ「そうそう、MacBookのバッテリーが膨らんじゃいましてね」と話し始めても決して「え? 萩のこと聞いてるんですけど…」とはならないように思うのです。

正直「メンドくさいから、返答すべき内容をこっちに委ねるの、やめてくんない?」と思うのですよ。

こういうのも「人による」だったりするんですけどね…。

何年にもわたる付き合いがあって、考え方やモノの見方などいろんなことを共有している人ならば、たとえ雑な質問をされても、先方が聞きたがってること、求めてる質問がなんとなく想像できて、こちらが答えるべき範囲も狭まるのですよ。

それを対して親しくもない人から、ザックリとした質問をされても「は?」としか思えませんよね。
どっちの方向に向かって会話を進めていいものやら、見当がつかないのです。

たとえば、
「ずっと二拠点生活をしておられましたけど、萩ではPC1台で作業されてましたよね。不安はありませんでした?」
みたいな質問をされたならば、
「最初は予備機のない環境って不安だったんですけど、すぐ慣れますよ。『いざとなったらすぐに東京に飛ぼう』と決めていれば、半日のロスとお金でなんとかなるんすから」「でも2年間、ノントラブルっす」
と、萩の話にかぶせつつリモートワーク論な方向に持っていけます。

質問の中にトリガーを混ぜてくれてたほうが、答える側は楽なのですよ。

そりゃ場合によっては、ザックリとした質問のほうが自由度が多くて、僕の得意な方向に話を持ってくことはできますので、そちらのほうが好都合なケースもあります。

でも「え、業務連絡にくっついた雑談で、それやります? メンド臭くって仕方ないんですけど」みたいな目に会うのはイヤなのです。

信頼関係と連動してるんですよね

こうして毎日ブログを書いてると感じるのですが、僕たちは自分でイメージしていることの、ほんの僅かな部分しか言葉にできていません。

翌日読み返して「う〜ん、そんなんじゃないんだよなあ」とか「感じてることの100分の1くらいしか言葉にできてないな」なんてこと、日常茶飯事です。

だから、さほど人間関係を構築できていない人にザックリとした質問をされても、互いのイメージのギャップばかりが気になって仕方ないのですよ。

「(この人の聞きたかったことって、これで良かったのかなあ)」と「(オレってホントにそんなこと考えてたか? テキトーなこと言ってないか)」が同時にやってくるのです。

当然、そのギャップを埋めていく作業も同時進行すれば、それなりに豊かなコミュニケーションになるのでしょうが、そのためにはそこそこの時間が必要ですよね。

メールやチャットの雑談部分だったり、電話の冒頭の挨拶のついでにできることじゃないのですよ。

前述の通り、決して悪気がないことは理解しているのですよ。
おそらく、天気の話、景気の話の延長上で「相手(僕)が関心ありそうなこと」を話題に振ってるだけなのでしょう。

でも、あまりにもザックリとた質問だと、こっちは返答すべき内容として「生き様」まで含めたラインナップをイメージせざるを得ないのですよ。

他人からは、生活の変化を求めるちょっとした行動に感じるようなことでも、自分の中では今後の人生を左右するようなテーマとして考え続けてることだってありますからね。

ちゃんとした信頼関係ができてない人が相手だと「なんで、あなたとそんな話をしなきゃいけない? それより早く本題を」ってことになりがちですね。

すでに信頼関係を構築できている人ならば「思い切ったねえ、今度ゆっくり聞かせてよ。興味ある」みたいな言い方をしてくるものなんですよね。

そう来られると僕も「言いたいこと山ほどあるし、思ってて言葉になってないことはもっとある。壁打ちの壁になってよ」と、まんざらでもない気になるものなのです。

信頼関係を築ける人だからまんざらでもない気にさせてくれるのか? 僕をまんざらでもない気にさせてくれる人だから信頼関係を構築できているのか? どっちが先でどっちが後かは謎ですが、「〇〇はどうですか」みたいなザックリとした問を投げかけてくる人と信頼関係を作り上げるのは、なかなか困難だな、と感じるのです。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。