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イメージしにくい田舎暮らし

2019.12.05

こんにちは、萩ドットライフ()です。

物件選びを進めていくにつれ「萩市の農林漁村部で暮らしたい」という気持ちがちょっとトーンダウンして、現実の生活を考えるようになっています。だんだんと「ほんの少しだけ利便性のある、市街地に転居しよう」という考えが強まっているのです。

中途半端な田舎暮らしが、現実的なところかも…

いま山口県萩市に滞在しています。
僕は現在、東京と萩を行ったり来たりしながら生活する二拠点生活をしているのです。

そろそろ二拠点生活を終え、萩市内へ完全移住すべく物件を物色中なのです。

この滞在中に、気になっていた物件を内覧できることに決まりました。
もうすでに先日、現地を訪れ外観だけは見てきたのですが「なんとなく、ここでいいかな。ピンと来るものがあったから、よっぽどなことがない限り決めてしまおう」と思っています。

とはいえ、他にもこの物件が気になっている方がおられるようなので、そのへんは成り行きで進めていきます。

先日投稿した「田舎での行動範囲を広げるために、自転車を買おう」の中で、

かつてこのブログ内で何度か「農林漁村部に住みたい」と書いたことがありますが、これが今、若干揺らいでいます。
「市街地に住んで、子供の頃に見ていた景色をもう一度眺めながら過ごすのもいいなあ」とも思っているのです。

と書いているように、まずは中心部から自転車圏くらいで暮らしたほうが良さそうかな? という方向に心が傾いています。

東京で生活しながら「田舎暮らし」のことを考えると、見渡す限りの山に囲まれていたり、家の脇を渓流が流れていたり、近所には数件の農家が……みたいな風景に憧れるのですが、いざ現実の生活のことを考えると、ちょっとした戸惑いを覚えるのですよ。

ちょっとした買い物は徒歩や自転車で済ませたいし、飲み会が終わったら、酔を覚ましながらトボトボと歩いて帰りたいのです。

当然、フレッツ光が通っているエリアじゃないとダメだし「やっぱ、下水の通ってるところがいいよな」などと考えてしまうのです。

もともと僕は、ものぐさなのです。

「田舎暮らし」というには、ちょっとボカシの入った、イメージしにくいところに落ち着きそうです。

東京23区内などの都市圏での生活と比較すると、充分に田舎なのですが、現実の「田舎」に来てみると、さほど田舎ともいえない。むしろ周縁部の人々からは「町」と呼ばれるようなエリアでの生活を始めることになりそうなのです。

よくテレビや雑誌などで紹介される「ポツンと一軒家」でも「都会の喧騒から離れた営農生活」でもないのです。
「人口5万人に満たない地方自治体の、平成の大合併以前からの市部で、その中でもワリと中心部に近いと言っても差し支えないだろうね」くらいのボンヤリとした場所が、いま僕が移住を希望している立地です。

萩に帰るという、自分なりの着地点

山口県萩市は、もともと僕が生まれ育った街なので、高校時代までのイメージを持ち続けているのですよ。

城下町を自転車に乗った観光客が行き交い、白壁がならび、ゴールデンウィークの頃には夏みかんの花の香りが街を包みます。
菊ヶ浜と呼ばれる海岸線から臨む指月山も、萩市民にとっての原風景のひとつです。

せっかく「萩に帰る」のですから、もう一度、生活圏に萩の原風景のある生活をしてみたいのです。
もしかしたら、すぐに飽きるかもしれないけれども、そうしたいのです。

現に今、朝ランに城下町も菊ヶ浜も通るようなコースを設定していますが、とても心地よいのです。

かつて投稿した「田舎の古民家で暮らしてみたい、という好奇心」では、これまでの人生で体験したことのない農林漁村部での生活に対して好奇心があるということを書いていて、その考え方に対する未練もあるのですが「まずは、自分のイメージ通りの『萩』で暮らそう」という欲求が強まっています。

以前にも、どこかで書いてことがあるのですが、「萩暮らし応援サイト – 萩市ホームページ」をご覧いただければ分かるように、萩は中古物件の価格が安いのです。

なので「ここで決めちゃったら、それで終わり。はい、一生もん」ということにはならないのですよ。

僕は、セルフリノベーションしながら生活したいと思っているので、築浅で設備の新しい、いわゆる「いいお家」を求めていないのです。
せいぜい200〜300万円程度の物件を買って、DIYや動画撮影・編集の練習を兼ねながら生活したいのです。

なので、ひととおりリノベーションが終わったらそこは賃貸に出し、また別の「安い古民家」を買って引っ越すような気がしています。

なので、そのときに「次こそは農林漁村部」となる可能性も余地として残しています。
萩市内での「二拠点生活」もはじめるかもしれないしね…。

このくらいが、いい頃合いなのかな

まだまだ、萩の人々とのコミュケーションを取り続けたいし、地縁を作りたいのですよ。
ひとことでいうと「ちゃんとした暮らしを取り戻したいな」と思っているのです。

東京にいるときは、とても便利だし快適なのだけれども、とても偏った生活になっていたのです。
ものすごく、モノを考えることを要求される暮らしでした。

僕がずっとフリーランスのデザイナーだったことも影響していますが、仕事の効率を求めた生活スタイルになっていたし、属するコミュニティも仕事関係が中心になります。
40代くらいまでは、刺激的で勉強にもなり楽しかったのです。でも「ちゃんとした暮らし」を空いたところにギュッと押し込めていたような生活だったんですよね。

何も考えずに、その生活を楽しんでいたら40代後半で、パニック障害を発症するわ、心肥大と頻脈そして高血圧症が発見され、大騒ぎになったりしました。

そこから朝ランの習慣を身につけるのですが「なんか違う」のですよ。

ちょっとくらい不便でもいいから、食べ物を求めて自転車を漕いで移動したり、ゴミ袋を片手に町内を移動したり、自宅の庭にちょっとした畑を作って簡単な野菜くらいは育ててみたり。

そのくらいの「カラダを使った生活」は残しておきたいのですよ。

その過程を当ブログなり、YouTube動画なりで発信し続けたいのです。
僕自身は「この街に帰ってきた」という認識でも、周囲の人々は「東京からの移住者」という目で僕を見るはずです。

思ったとおりのことも起こるでしょうし、思いもしなかったことにも出くわすでしょう。
うれしいことも、びっくりしたことも含めて、いろんな経験をすることになると思うのです。

でも、東京で暮らしていたときのような「なんかオレ、ちゃんと暮らしてないな」という感覚からは逃れられるような気はしています。

みんながイメージする「田舎暮らし」じゃなく、ちょっと中途半端なものであったとしても「まずは、このくらいが、いい頃合いなのかな」と思っているのです。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。