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セミリタイアを決めるのは、お金よりも意思

2020.12.06

こんにちは、萩ドットライフ()です。

案ずるより産むが易し、と申しましょうか。「セミリタイアしたいな」と考え始めてからビビリまくっていたお金のこと、いざ行動してみるとさほど気にならないものなのですよ。おそらく資金を作る過程で生活スタイルが変わったことが影響大なのです。

たまにはここ数年の振り返りを

無職になって2回目の、萩市に移住してから初めての年末を迎えていますので、この数年間の自分自身の行動について振り返っておこうと思います。

「仕事をやめて、田舎に移住して、セミリタイア生活しよう」と思い始めたのが50歳になった前後だったように記憶しています。

それまでにも何度も「あ〜やってらんない」「もうこのクライアントの案件、請けない」みたいな突発的な「辞めてやる」は何度もあったのですが、真剣に「いったんゼロに戻して、人生もう1本」みたいなことを考え始めたのはこの頃からです。

別の記事でも書きましたが「オレもそろそろ焼きが回ってきたな、いつまでもここにしがみついてちゃダメだな」なんてことを感じ始めたのとリンクしてたんじゃなかったでしょうかね。
(参考:「終わらせる」ことの大切さ

自分の会社に従業員を抱えていたのならば、なかなかこういう結論には至らなかったのでしょうが、法人化はしていたものの単なるフリーランスでしたからね。
それに生活を共にする人もいなくなっていたので、ひとりで決めて、淡々と行動だけすればよかったので、ものすごく楽でした。

結果「僕はセミリタイア生活に入るので、もう新規案件は請けませんよ」と宣言したのが53歳のとき。
実はその前からキーになる人には「オレそろそろ仕事を減らしつつ引退に向かいますわ」とか「打ち合わせには行きません、間にディレクター挟んで、その人経由で指示ください」とか、後ろに下がる意思は見せてたんですけどね…。

なかなか「引退」を真に受けてもらえないし、僕も「ホントのホントにやらない」って強く宣言できない期間が2・3年あったんですよね。
僕の意思もあいまいでしたしね。

その後も「誰々さんの指名なんです」とか、「これだけはどうにかやってください」みたいな行きつ戻りつがありながら、手持ちの案件をすべて(一部除く)クローズさせたのが55歳のとき。

メインクライアントがマンションデベロッパーで、僕が請けていたのはマンション販売のときに使う物件サイトなので、完売したらクローズするんです。
手離れのいい仕事だったので、僕と相性がよくて、だから長く続けられたんですよね。

新規案件さえ請けなければ数年のうちに運用案件はゼロになるのです。
だから、引き継ぎの必要もなくて、リタイアはスムーズでしたね。

そして、山口県萩市に古民家を購入し、東京のマンションを売却し、萩に移住してきたのが今年56歳のときでした。

途中「萩に住みながら東京の仕事をしてみよう」とか「ずっと二拠点生活を続けたい」とか「東京のマンションは賃貸に出して、また戻れるようにしておこう」などなど、いろんなことを考えていました。

けれど、決断したのはすべて身軽になる方、シンプルな方、でしたね。

仕事はゼロにした(ホントは、週に5分程度稼働しなきゃいけない案件が残ってるけど…)し、二拠点生活は2年間継続した結果「やめよう」ということにしたし、管理の責任、税金、事務仕事が発生するのがメンドくさくなってマンションは売却することに決めました。

マンションに関しては、売却益が3,000万円未満ならば非課税だということに「ウヒョ!」ってなったからって理由もありますけどね。

いっとき、お金のことばかり考えてた

「セミリタイアしたいな」と考え始めてから「ヨシするぞ」まで、またそう決めたあとも、ずっとお金のことばかり考えていました。

過去には「セミリタイアをするために必要な資産」なんて記事も投稿してますね。
2018年の10月の記事ですから「もう新規案件請けないよ」と入ったものの、手元には運用案件をいっぱい抱えてて普通に働いてるころですね。

セミリタイアした人のブログを見ながら「何歳くらいで、いくらくらいの資産でリタイアしたんだろう?」「セミリタイアの『セミ』の部分は、どんな収益を得てるんだろう?」みたいなことに、とにかく関心をもって調べていました。

なんとなく「贅沢はできないけれども、フツーの生活するくらいなら問題ないよな。仕事辞められるよな」とは思っていたのですが、「もしかして、あんなことが起こったら、こんな状況も想定しておかなきゃ」「そんなに甘いワケないじゃない」と、ずっとビクビクしていましたね。

いまでも、フとそんなゾーンに入ることはあるんですけどね。
おそらく、ずっと自分の余命と残り資産を計算しながら生きていくことになるんでしょうね。

怖いものだから、このブログでも「資産運用」なんてカテゴリを設けて、月に1回はちゃんと数字にまとめることにしたのです。

結局ほとんどの金融資産を、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)と楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)にまとめて、NISAも含めてほとんどを楽天証券の口座で運用することになったので、あまりまとめる必要もないんですけどね。

それでも、セミリタイアブログを探してこのブログに来られた方は、僕のフトコロ具合に興味もたれますからね。
それなりの情報価値はあるんじゃないでしょうかね。

このブログでも公開しているように、現在5,000万円弱のお金を証券口座で運用しつつ、数年分程度の現金を普通預金口座においてセミリタイア生活を送っています。
(参考:2020年11月末現在の金融資産の保有状況

いくら匿名ブログだからといっても、あまり自分の資産状況を丸裸にするのも少々憚られますので、普通預金・他については秘匿することにしてますけどね…。

僕の場合、公的年金が国民年金に毛の生えた程度しかないので、決して潤沢というわけでもないのです。

結局は「意思」です

無職になって1年以上経過した結果、いま思っていることは「わりとオッケー」です。
今年3月の世界的大暴落を除いて、ずっと株価が堅調だということも影響していることは否めませんけどね。

それよりも「セミリタイアしたい。お金貯めなきゃ」と、数年かけてあまりお金を使わない体質に変わった効果の方が大だろうと感じています。

セミリタイア資金が貯まったからじゃありません。
資金を貯められる生活スタイルを獲得したから、です。

正直40代くらいまでは、お世辞にも「簡素な生活」ではありませんでしたからね。
同世代のサラリーマンの方々とくらべると、少々多めの所得がありました。

これは、別に僕が有能だからってワケじゃなくて、個人事務所だから、対会社のお金を個人で受け取っていたってだけなんですけどね。

「消費によってステータスを補強しよう」みたいな考え方も、少なからず持っていました。

これが「さて、セミリタイアだ」と考え始めると同時に、途端に変わっていったのですよ。
オセロの石が端から端までひっくり返る感じでした。

加齢も要因のひとつかもしれませんけどね…。

今の僕はもう「これから急に無駄使いをしたり、生活レベルを急に上げることなんてありえないな」と思っています。
支出を減らすことが、ちょっとしたゲーム感覚になってるんですよね。

あまりケチでみすぼらしい感じにはなりたくないので、そのへんの手綱はしっかり握っておく必要がありますけどね。

とりあえず今は、仕事に追いかけ回されたりせず、時間を自由に使える暮らしに満足しています。

新型コロナ禍で会いたい人と会えないのは、少々ストレスですけどね。
反対に会いたくない人と会わなくて済むのは快適なので、プラスマイナス・ゼロなんでしょうかね。

この生活を失いたくないと考え続ける限り、過剰な消費に向かうことはないでしょう。

「こんなにお金要らなかったな」とも思っています。
ここまで貯める前、もう少し早いタイミングでセミリタイア人になる決断をしても良かったと感じているのです。

たとえば、40代半ばで「セミリタイアしよう」という意思を持ち、あと5年早くセミリタイア生活に入っていたら…。などと考えてもみるのですが、後戻りはできませんしね。

しかも40代半ばといえば、まだ同居人がいたので「自分で思うがまま」というわけには行きませんでしたね。

結局は「なるようになったのだろうな」と思っています。

ただ、今考えているのは「セミリタイアに必要なのは、膨大なお金じゃない。意思と生活スタイルの改善だ」ということです。
でも「膨大」じゃなくても「それなりに」は要りますよ。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。