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土を踏んで暮らしながら。また、ものを考えよう

2020.08.25

こんにちは、萩ドットライフ()です。

黙々と草むしりをしていると「土のある生活、落ち着くね」という考え方になってきますね。おそらく人類にそういうDNAが備わってるのでしょう。安心感があるのですよ。そこが、植物や小さな生き物たちの命が生まれてくる場所だからなのでしょうね。

持ち家の安心感

世の中では「賃貸派 vs 購入(持ち家)派」という論争が長きにわたって続いています。

自分が住む家を、賃貸しておいてライフプランに応じて気軽に住み替えられたほうがいいのか?
それとも購入して「自分の土地・建物」として確保することによる安心感を得るべきなのか?
はたまた、経済的にはどちらが「お得」なのか?

などなどがテーマになっていて、なんとなく世の中「賃貸派」が優勢なような気もします。

でも僕は購入(持ち家)派ですね。

ずっと、フリーのデザイナーという不安定な仕事をしてきたし、基本的にビビりな性格なので「ここが、自分で買った自分の家」というものを確保して置いたほうが安心できるのです。
「一生懸命働いてきたら、ここで暮らせることができた」と実感できる喜びも得たかったりしますしね。

経済的な損得に関しても「東京のマンションに買い手がつきました」で触れたように、15年間住んだマンションが買ったときの1.5倍で売れました。

計算してみると、毎月12万円くらい「もらい」ながら住んでたってことになるんですね。
しかも居住用財産を売却したので、譲渡益が3,000万円まで控除されますしね。

我ながら「かなり上手くいったな」と思っています。

当然、将来の売却もしくは賃貸運用を意図して選んだ物件ではあったのですが、当初は15年住んで150%の価格で売却できるなんて思ってもみませんでしたからね。

なので、これから住もうとしている萩の古民家も購入しています。
(参考:他人の趣味と向き合う ― 萩市の古民家を買うことにしました

先日投稿した「萩市民となった僕は、まず草むしりを…」でも書いたように、まだ浴室の工事と電気の配線工事がもうしばらく続きますので、近所の実家で寝泊まりしながら、草むしりに通っています。

毎日々々、草や土に触れる生活なんてしたの、虫やカエルに興味のあった小学校低学年以来じゃないでしょうかね。

土に近づく安心感

あらためて「土があるといいなあ」と感じています。

まだ萩市民になって1週間しか経ってないし、その「自分の土」がある家で生活を始めたわけでもなく、草むしりに通っているだけなのに、そう思うのです。

そう思ってしまうものは仕方ないのです。

なんとなく、冒頭で述べた「家は買ったほうが安心感を得られる」と同様に、「ここで自分の好きなものを生み出すことができるんだなあ」という安心感があるのです。

ずっと黙々と草をむしっています。

僕は園芸の知識がないので、何が引き抜くべき雑草で、どれが意図的に植えられたモノなのかの区別がつきません。
なので「とりあえずは、木のところ以外は土にしよう」とすべて抜いています。

そうやって抜いていると、土の中からタマネギが出てきたのですよ。

「あれ? ここって畑だったのか…。うん、なんだか他の場所よりも土が柔らかい気がする」
「前のオーナーさん、食べ物を作ってたのか」

と気付いたときに「そうだよな。土って食べ物を生み出す場所なんだよな」と、とても当たり前なことに思い至ったのです。

これって、ものすごい安心感なんですよね。

この先、僕が農作物を作るかどうかは、まだ決めていません。
でも「畑があってもいいなあ」とは思い始めています。

僕は、表庭は一部の植栽エリアと数本のシンボルツリーを残して、あとは駐車スペースに。
裏庭は木工室兼倉庫的なものを増築して、あとは広めの芝生スペースにしようかと思っていたのです。

これも決めてるわけじゃないんですけどね。
これからゆったりとしたペースで、何度も試行錯誤を繰り返しながら作っていく最初は「こんな感じ」と思い描いているだけなんです。

ここからまた、ものを考えよう

「賃貸派」の言い分のひとつに「家を購入すると、場所に縛られる」という意見がありますよね。
まあ、そのとおりではあるのですよ。

これだけ「リモートワーク(テレワーク)だ」「情報も働き方も物理的な制限から自由になろう」と言っている時代なのですから、どこか1箇所に縛られる生き方など誰も望まないのです。

僕だってそうです。

だからこの2年間、東京と萩を行ったり来たりする二拠点生活を続けてきたのですね。

ひとつ(東京のマンション)が持ち家で、もうひとつ(萩の実家)が借り物(居候ですけどね)。

自分の拠点を「購入」して「所有する」安心感と、場所に縛られない自由さは、決して矛盾しないのです。

持ち家も売却できますしね、いろいろとくたびれるけど…。

加えて「自分が買った土地に、いっぱい土があるっていいな」という発見がありました。

おそらく人類のどこかしらに「土を踏んで暮らしたい」って記憶がインプットされてるんでしょうね。
海の近くにいけば「波音を聞きながら…」っていう記憶を想起するんでしょうけどね。

これまでDIYといえば、建物のことばかりを考えていました。そりゃ「庭や生け垣もなんとかしなきゃな」くらいのことは考えていましたけどね。
(参考:古民家再生をDIYでやりたい

でも、こうして草むしりを始めてからというもの、急速に興味の対象が外構部に移り始めてるのですよ。

「建物自体はボロいけど、使えないわけじゃないからいいか」
「それよりも、庭を先になんとかしたほうがいいな」

なんてことを考えています。

冬になると「寒っ。庭なんてどうでもいいから、早く断熱やらなきゃ」って言い始めるかもしれませんけどね。

とりあえず1週間、黙々と草むしりをして気付いたことは「土のある生活、落ち着くね」なのです。

僕は人生を次のフェーズに向かわせるべく、生活環境を変えました。
「東京を離れて、山口県の萩市へ行こう」も、今こうして感じてる「ちょっとだけ土に近づいたな、いいぞ」も、自分の内側から聞こえてくるものなんですよね。

答え合わせが何年後になるか分からないけれども、今はその声に従っていたほうがいいような気がするのです。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。