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なんだかんだ言いながら、元に戻るのだろうなあ

2020.04.25

こんにちは、萩ドットライフ()です。

みんなが自分の生き方とか、働き方を見直すチャンスになってるんじゃないでしょうかね? 「オフィス要らない」とか「都市から地方へ」とか、様々な選択肢を設けることがアリになってますからね。でも僕は、結局元に戻るんじゃない? と思うのです。

みんながそれぞれに考え始めてるんでしょうね

じっと家の中にいながら、自分の人生観や世の中のあり方を「本当にこれまでの感じで良かったのかなあ」などと考え直したりいてる人が多いんじゃないでしょうかね?

満員電車に乗って通勤などせず、毎日決まった場所にオフィスに通うことなどなく、都心のマンションを買って高いローンを背負うことなく…。
もっと、長閑で、静かで、落ち着いた、自然のなかで暮らすほうが豊かなはずなのですよ。

世間ではもう「リモートワーク(テレワーク)を体験したビジネスマンは、このスタイルで仕事できることに気付いた」とか「これをきっかけに社会は変わる、都市から地方へ移住する人が増える」みたいな話がされてますね。

特に異論はありません。

だって僕、もう何年もそうやって暮らしてきてますから。
満員電車に乗らずに、自宅の一室を作業場にして、地方にも居場所を作って二拠点生活なんぞを試してみる生活、なかなか快適ですよ。

しかし「僕が快適に感じているのですから、みなさんも是非。オススメですよ」ってことになるかというと、そうでもなかったりするのです。

「あ〜ダメだ。電車に乗って通勤なんかできない。毎日、決まった時間に決まった場所に行くなんてムリ」と思って、フリーランスになったのが、30代半ばのころでした。

でも、その頃の僕って「田舎暮らしもいいなあ」と思いつつも、いっぽうで「東京へ。23区へ。都心へ」という気持ちもあって、後者を選んだんですよね。

今みたいに「クラウドソーシング」なんてシステムがなかったという環境的な問題もありますが、自身の成長過程において、まだまだ「成長産業」「新しい産業」「面白い人」「優秀な人」が集積する場所(=都市)に身を置くフェーズだと感じてたんですよね。

ちゃんと考えて答えを出したワケじゃなかったような気がしますが、なんとなくそんなふうに感じていたのです。

このブログを開設して間もない頃にも、そんな感じの記事を書いていますので、ご参考に。
(参考:住む場所って、人生を左右しますよね

「都会から地方へ」ってなるかなあ?

僕はいま、東京のマンションを売り払って、山口県萩市に移住しようとしています。
萩で住む家は購入済みです。
(参考:他人の趣味と向き合う ― 萩市の古民家を買うことにしました

つい先日、移転登記も完了しましたので、もう僕のものになっています。
ただ、困ったことに緊急事態宣言が出ているので、その家を使いに行くことはできませんけどね…。

新型コロナウィルス禍によって「これからは地方の時代だな」なんて思って移住を決めたワケではありません。
むしろ、様々なスケジュールが頓挫してしまって、大迷惑を被っているのです。

このブログでも、過去に何度か触れているのですが、僕が地方に移住しようと思った理由は「オッサンになったから」なのですよ。

東京でフリーのデザイナーで食っていくのに少々バテましたし、一方で野山を歩き回ったり古い家をリノベーションしたりしながら生活できるのは、あと四半世紀程度かな? と思い始めたのがきっかけなのです。

現在50代半ばですからね。ちょうど、田舎に移動したほうが楽しそうなタイミングだったのですよ。

四半世紀後くらいにはヨボヨボになりますので、また医療施設や商業施設の集積したところを求めて、都市部に移住することになろうかと思っています。

ちょうど今、みんなが向き合ってる新型コロナ。「人生で初めての体験なんじゃないかな?」と思うくらいのインパクトを感じています。

「もし今、自分が30歳だったら」などと思ってみたりもするのですよ。

おそらく「まだまだこれからキャリア形成しなきゃ」と思っているフェーズのはずなのですが「リモートワークできるし、満員電車は感染リスクだから、都市を捨てて地方へ」と考えてしまうような気がします。

「これこそが理性的な判断なのだ」と、実際にそういう行動を起こしてしまうかもしれません。

だから、いま現役バリバリの方々が「都市に居ちゃダメだ」と考えても、なんも不思議に思いません。「うん、アリだよね」と同意することでしょう。

ただ、結局また元に戻るような気がするのです。

成長過程にある人は、刺激を求めるし、承認されたいし、消費が好きだし、集積したがるものなのですよ。

先日「風通しの良い場所へ、見晴らしのいいところへ」なんて記事を投稿しましたが、そんなのオッサンになってからで十分なのです。

当然、みんながそうなるなんてことは思っていません。
現に昔も今も、地元に留まる人もいれば、都市に向かう人もいるし、都市に出たあとも、そのまま都市で人生を終える人も入れば、再び地方に向かう人もいるのですから。

結局、元に戻るのでしょう

もしかすると、バランスは変わってきたり、バリエーションが増えたりはするかもですね。

生活コストと環境や機会のバランスを取りながら、地方暮らしを選ぶ人は、一定数増えると思います。
僕が30代40代くらいならば、1時間で都心に出られるくらいの場所に魅力を感じたかもしれませんね。

中には「大都市なんて、飛行機か新幹線で行かれれば、それでいい。むしろ若いうちから山里暮らしをしながら、半農半ITで生きていきたい」みたいな生活を選ぶ人もいるでしょうし、反対に「リモートワークできるからこそ都心。ちょっとした隙間時間にアップルストアや東京美術館へチャリで」みたいな生活を望むのもアリですよね。

みんなが自分なりの「あ〜したい。こう生きたい」をこれまでよりも実現可能なものとして考え始めるようになると思うのです。

その結果、突拍子もない生活スタイルを編み出す人もいれば、結局これまで通りの満員電車に揺られ続ける生活に戻る人もいると思うのです。

多くの人にとって、before コロナの生活が、まだ「日常」なんですよね。
なんだかんだと文句を言い続けていた日常ではありますが、みんなあの生活に戻りたがってるんじゃありませんかね?

みんながリモートワークを快適だと思ってるわけでもなさそうですしね。
孤独が好きじゃないと、キツいのですよ。
(参考:リモートワークは、孤独で自由です

「早く会社に行って、みんなと一緒に仕事する生活に戻りたい」って人も少なからずおられるような気がしますね。
リモートワークがストレスの原因になったんじゃ、身も蓋もありませんからね。あくまでもオプションなんですよ。

結局、この新型コロナ禍をきっかけに自分の生活スタイルをガラっと変える人は希少なんじゃないかな? と思うのです。

これを機に、そこそこのテクノロジーの採用による無駄の削減はすすむのだろうな、とは思っています。

過去を振り返ってみれば、電話は持ち歩くものになったように、DVDに焼いて(書き込むことを「焼く」って言ったのですよ)バイク便で送るのが当たり前だった大容量ファイルをネット経由で送れるようになったように、FAXを廃しててPDFをメッセージに添付するようになったように、みたいな感じでしょうか…。

願望込みですけどね。

いろんなニュースやSNSでの会話を見てると、なんとなくハンコの出番はこれから減りそうですよね。

たぶんコロナ後も「作業の進捗確認程度で複数人が同じ時間、同じ場所に集まるとかやめようぜ」ってことになると思うし「リモートの方が仕事しやすい人は、そのまま自作作業でいいよ」って会社も増えるのだと思うのです。

僕はいま無職だから体験してないけど、zoomミーティングってどうなんでしょ?
参加者の顔見える必要ってあります? 僕はテキストベースのやり取りでオッケーな気がするんですが、未経験なのでこの程度の言及にとどめます。

そうした変化は期待できるにしても、なんだかんだ言いながら、みんな元に戻ることを望んでるんだろうな、と思うのです。

「経済を回そう」って言いながら。

みんながまた「誰かにお金を使わせる仕組みを考えよう」とするし「お金を使って、自分をカッコ良く見せよう。豊かになろう」としますからね。

みんな、そういうのが好きなんですよ。

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