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[フリーランスの老後]田舎でのんびりと仕事をしたい

2019.07.20

こんにちは、萩ドットライフ()です。

「田舎でのんびりと仕事をしたい」って、よく使われる定型句ですよね。僕も使っています。でも、本当に田舎に行けばのんびりできるの? 「のんびりとした仕事」って何? その辺りについて地方への完全移住を計画している今、考えていることです。

オッサンになったらセミリタイアしたくなった。
長期休暇を取りたいし、地方に移住したい。
セミリタイアの「セミ」の部分も、田舎での、のんびりとした仕事でありたい。

ずっと、そんなことを考えています。

一応「オッサンになったら、だんだんと、こういう考え方が芽生えてきた」ということにしているのですが、思い出してみると、若い頃からこういう気持ち、決して皆無ではなかったようにも思うのです。

若い頃は「都会で自己実現したい」と言う気持ちと「田舎でのんびり働きたい」が併存しながら「都会vs田舎」で、都会が圧勝していただけのような気がします。

もともと僕は、山口県萩市で生まれて、大学進学までそこで育ちましたから、人生の原風景は田舎にあるのです。

いっとき「電車で2時間程度で都心に出られる田舎」に魅力を感じていて、関東近県の田舎を魅力的に感じていた時代もありました。
「ミーティングと飲み会のときだけ、都心に出る生活もいいな」と。

結局「賃貸に出しやすい」「価格の上昇が見込める、値崩れしにくい」という理由で、東京の大手町・丸の内の会社に30分以内で通える立地のマンションを購入してしまいましたけどね。

そして、どうやら「都会vs田舎」の勝敗は、加齢とともに変わってくるのですよ。
50歳を超えた頃から「もう一度田舎」「大人として、生まれ故郷で生活したい」と思うようになったのです。

これにはちょっとしたきっかけがあります。
僕が出資しているシンガポールの小さな出版社が、2013年に「日本の食文化を紹介する季刊誌」を発行することになり、その最初の取材先が山口県萩市だったのです。

僕も「付き添い」みたいな感じで、取材隊とともに行動することにしました。
生まれ故郷である萩市を訪れたのは、10年ぶりくらいだったでしょうか。

そのとき「子供の頃から知ってるつもりではあったけれど、大人の目で見ると、全然違った印象があるものだな」と感じたのです。
それが「もう一度田舎(=山口県萩市)で暮らしたい」と欲求するようになったトリガーでした。

田舎でのんびりと仕事をしたい

今、東京と山口県萩市の二拠点低活をしています。
セミリタイアを開始したところなのではありますが、まだ少し仕事は残っているのです。
その仕事も完全リモートワークで処理できる体制を作っているので、もう東京にいるときと、萩市にいるときの差はほとんどありません。

「ほとんど」の内容は、機材だったり、書類のストックが東京の方が最適化されているし、近隣の商業施設も東京の方が便利だということくらいですね。
基本、PC2台(MacとWindows)だけで、萩の作業場に異動しますから。

差がほとんどないにも関わらず、僕は「田舎でのんびりと仕事をしたい」と思っているのですよ。東京でものんびりできるてるはずなんですけどね…。

「田舎でのんびりと仕事をしたい」って、

  • 「田舎でのんびり」
  • 「仕事をのんびり」

が混ざってるのですよ。
なので、僕はなんとなくセミリタイア生活を始めたことによって、「仕事をのんびり」は、実現できているのですよ。
それに加えて「田舎でのんびり」の部分を求めて、萩市に完全移住をしたいと考えているのです。この「田舎」というところが要点なのですよ。

つまり「田舎でのんびり」と「仕事をのんびり」を同時に実現しないとダメなのです。

「田舎」と「のんびり」の関係

仕事に関しては、収入を減らす覚悟で案件の受注を停止すれば「のんびり」できることは実証済みです。今がまさにそうなのです。
現在、週のうちまともにデザイナーとして可動しているのは、3日程度でしょうか。
その3日も「念のためのスタンバイ状態」であることが多く、とても暇なのです。
将来的にはわかりませんが、今のところこのカタルシスをとても快適に感じています。
(参考:セミリタイア・ブルー。収入が月20万円を下回りました

未知なのが「田舎暮らし」と「のんびり」の関係なのです。

なんとなく体感はしてるのですよ。
山の中、大きな川沿い、海岸べりの道を散歩もしくはランニングしていると、心が落ち着くのです。
東京でも、木場公園という大きな公園内や、隅田川沿いをランニングコースにしているのですがなんかちょっと違うんですよね。
(参考:木場公園ランニング

いろいろググってみると「森林浴をすると、ストレスが軽減され、免疫力が回復する」ということを科学的な研究結果を記事を見つけました。

人間は自然から切り離されたことによってストレス状態に陥っているので、自然環境の典型的な例である森林を必要としています。ストレスが軽減されると免疫力が回復し、病気への抵抗力を高めることができます。それがひいては医療費の削減にもつながると考えています。
出典:森林浴の効果を科学する:千葉大学の宮崎良文教授 | nippon.com(2019年7月20日現在)

僕はここ1年弱、二拠点生活を続けています。
それほど「森林」に囲まれているわけでもない、市部のちょっと外れくらいの場所に「萩の作業場」はあります。
それでも、10分も歩けば山に入れるし、作業場の窓から見える景色はほとんど緑です。
5分歩けば、大きな川が流れているます。海へは…、20分ランですね。

田舎なので、当然建物は低くて空が高いのですよ。
特別な何かをしているわけではないのですが「なんだか、萩にいる方が落ち着くな」と感じていたのは、まんざら気のせいではないようです。

「新しい生き方」を始めるつもり

もうひとつ「田舎で」「のんびりと」「仕事をする」ためには、自分自身の切り替えも大切だと思うのですよ。

このブログ内のいろんなところで書いているのですが、僕は30年間続けてきたデザイナー業をリタイアします。
(参考:デザイナーは引退しても、デザインは続けるよ

20数年前にフリーランスになったときにも、一旦デザイナーであることを辞めて、舞台公演ののプロデュースをやってみたり、他にもいろいろと手を出そうとしていたので、どうやら、人生の転機に際して「これまでの経験を活かそう」と考えずに「やったことないものを始めてみたい」と考える思考回路を持っているようです。
結局、上手くいかずにデザイナーに戻っちゃいましたけどね。
(参考:フリーランスになったころの失敗を記して、平成時代を後にしよう

でもその方が、ストレスから解放されるような気がするのですよ。
なんとなく「わかっちゃってる」ことに対して、不要な神経を使うよりも「知らない、はじめて」のことに熱中するほうが、楽だし、自分の生活がいい感じになるのですよ。

何かに熱中することと、のんびりすることは、決して対立概念ではないと思っています。

むしろ「やりたいこと」にシンプルに向き合っている状態って、ストレスがなくて「のんびり」している状態だと考えているのです。

以前「「生産的な趣味」の時間を確保するためにセミリタイアしようとしてる」という記事を投稿したことがありますが、とりあえずは「新しい環境(=田舎)」で、「新しい仕事(=生産的な趣味)」を模索するフェーズを作ろうと思っています。

「仕事」と言っても、フルタイムでガシガシ働いたり、クライアントワークで、顧客や代理店からの指示疲れと向き合うつもりはまったくないのです。

好きなことを見出しつつ、どこかで収益化の糸口を見つけるような「仕事」を見つけたいのです。「10年1本勝負」くらいな感じで、結果にたどり着きたいのです。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。