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50代半ば。フリーランスのデザイナーを引退した後の戦略

2019.05.27

こんにちは、萩ドットライフ()です。

「そっか、デザイナーを引退するんだな」と、感傷的になることが増えてきています。ずっとセミリタイアやら、二拠点生活など「新しいことをはじめてる」という意識の方が強かったんですけどね。過去記事と重複する部分もありつつ、一度整理しておきます。

デザイナーを引退しようと思った理由

僕は、20年以上フリーランスのデザイナーとしてメシを食ってきました。
1997年にフリーランスになったのですが、その頃にはすでにWebに興味をもっていて、自分でhtmlを書く練習などを始めていたので、2000年になる前にはすでにWebデザイナーとして受注を開始していました。
(参考:Webはチャチくてダサかった

Netscape Navigatorがバージョン4の頃。ネスケvsIEの「ブラウザ戦争」真っ只中の頃ですね。
まだCSSが存在していなくて、tableタグでレイアウトをしていた頃です。

アニメーションを作るMacromedia Flash(後のAdobe Flash)が登場したばかりの頃で、使えたら「すごい」と言われていました。
後に「基本的なことはできて当たり前」になりましたから、僕も習得しましたが、当初はFlashを専門に作る人と分業したりしていました。

現在はモバイルファーストの時代だし、Flashは廃れJavascriptやCSS3でアニメーションを作るようになってるし、当然のようにレスポンシブ。
CMSも当たり前のように使われ、WordPressを使えないデザイナーの方がマイノリティとなっています。

僕は今、新規案件の受注を停止しているのですよ。
Webデザイナーを含む、デザイナー業全般から足を洗おうとしているのです。
まだ、多少の運用案件が残っているので、さしずめ「セミリタイア中」といったところです。
(参考:デザイナーにとっての、セミリタイアと引退

引退を決断するまで、グズグズと5年間近く悩んだでしょうか。
もちろん悩み続けたわけではなく「そろそろ終わりかな」と思ったり「いや、まだまだ頑張ろう」と考え直したりを繰り返してたんですけどね。

そう考えるに至った理由はいろいろありますので、思いつく限り記録しておきたいと思います。
こういうのって、定期的に書き留めておかないと時期が過ぎると忘れてしまうのですよ。

ネガティブ編

大きく2つ、

  • クライアントワークに対する消耗
  • 技術の進歩に対する不安

という問題から逃れたかったのです。

まずは「クライアントワークに対する消耗」。
10年前くらいまでは、広告代理店の人にとって「Webはよくわからないんですよ」と言ってもいいものだったようです。
僕のメインクライアントでも、長らくWebサイトの制作は「分離かつ直接発注」だったのです。
つまり、クライアントの広告(宣伝)担当と販売の責任者と直接やりとりをしていました。

それがだんだんと「広告代理店の再委託先として指名される」という発注形態になってきたのですよ。
簡単に言うと「関わる人が増えてメンドくさくなってきた」のです。

そして「技術の進歩に対する不安」について、年々、技術の進歩を感じます。
まだまだ関心を持ち続けてはいるのですが、必要とされる(要求される)技術が、Webデザイナー個人で受け持つことができる範囲を超えてきつつあるように思うのです。

これまでのように、フットワークの軽いフリーランスの出番が減り、常時レベルを高めあってる「既存チーム」で制作にあたる場面が増えつつあるような気がするのです。

ポジティブ編

こちらも2つ上げてみましょう。

  • コンテンツメーカーになりたい
  • 残された人生で、もうワンゲーム

という希望があります。

デザイナー業務と近いようで遠いのが「コンテンツを作る」という作業です。
テキストにしろ、イラスト、画像、最近は映像などなど、僕たちデザイナーは供給「される」側なのですよ。

もちろん、アイデア出しに加わったり、「こういうコンテンツがあるといいかもですね」「ここは、こういう表現を想定しています」的な構成上の要求をしたりすることはあっても、自分では作らないのです。
「オレもそれ、やってみたいな」と思っているのです。

詳しくは後述しますが、僕は60歳もしくは65歳で引退しないのですよ。
75歳とか80歳くらいまで、好きなことをして働きたいのですよ。
フリーランスのデザイナーとして生きてきた20年が、ワンゲームとするならば、これから別の「もうワンゲーム」に取り組んでみたいのです。

僕が社会人になる1980年代、Webデザイナーという職業はありませんでした。
またここで、僕がWebデザイナーになった1990年代や2000年代にはなかった職業に挑んでみたいのです。

人生100年時代、80歳の自分をイメージする

前述の通り、僕は80歳くらいまで働くことを想定しています。
当然、これまでにようにガシガシと貪欲に収益を求めることはしませんし、環境を我慢したりもしません。
せいぜい「生産的な趣味」としての労働を残しておきたいのです。
(参考:老後は仕事を「生産的な趣味」に移行しよう

そのための準備を今から始めようとしているのです。

このブログを書きはじめて、そろそろ1年が経過しようとしています。毎日書き続けてきました。
朝起きて、すぐに「これから書き出すテーマ」を考え、2,000〜3,000文字程度の記事を書き、ほぼ推敲せずに60点くらいのできの状態で投稿。その時間2〜3時間。
このくらいの強度の「生産的な趣味」であれば、80歳時点でも継続できそうな気がしています。

これから四半世紀、ブログが残っているかどうかは謎ですが、こうした自己完結できる労働を残しておきたいのです。
(参考:自己完結型(スタンドアローン)の仕事を模索しよう

また何かの初心者になりたい

この1年近く書き続けてきたブログ。思うように成果を得られていません。
まだ月間pvは3,000に至りませんし、Google AdSenseによる収益も、今月ようやく月額1,000円を超えたばかり。

「他のブロガーの方々のように上手くいかないものだなあ」「何かやり方が悪いんだろうな」と思いつつも、少しずつ上がっていくアクセス数や収益を喜んでいます。

僕が20余年前にフリーランスになったときも最初は大赤字。
ようやく「なんとか食っていけるかも」と思うに至ったのは4年目のことだったのですよ。
「この程度がオレの成長スピードなんだろうな」と思っています。
(参考:フリーランスになったころの失敗を記して、平成を後にしよう

「新しいことを始めた」ことが嬉しいのですよ。
今は「デザイナーを辞める」とか「人生の転換期だ」みたいなことばかり考えているので、ブログ記事もそのことばかり書いていますので、我ながら「マンネリだな」と反省しているのですが、とにかく書いていて苦になりません。

今年は、動画撮影・編集に取り組んでみようかと思っています。もちろん経験はありません。
職業柄、Adobe Creative Cloudを契約しているので、1度Premiere Proをダウンロードしてみたことくらいはありますが、全くの初心者です。

iPhoneは持ってるし、Premiere Proも無料で使える。動画制作環境はすでに揃っているのですよ。トライアルしてみない手はありません。

こうして「毎年、何か新しいことに手を出してみよう」「気に入ったら集中して高めよう」「気に入らなかったら、すぐに辞めよう」と考えています。
毎年、必ず何かの初心者になりたいのです。

そうすれば、80歳時点でなんらかの「楽しく遊んで収益が得られる」ものが残ってるでしょ。
その程度の大ざっぱな戦略。あとは行き当たりばったりです。

生まれた街「萩」の小さなひとつに還ろう。